ファッション業界は、世界の炭素排出量の約8〜10%に責任を負っていると推定されています。その主な原因は動物由来および化石燃料由来の素材に依存していることです。これらの素材は、靴、ハンドバッグ、ジャケットなどの製品で長らくデフォルトとして使用されてきましたが、地球にとって有害な影響を及ぼしています。動物皮革や合成皮革は、環境に負荷をかけるだけでなく、有害な化学物質で加工されており、水路に浸出して生態系に悪影響を及ぼす可能性があります。
真の課題は、ファッション業界における素材の使用方法を根本から見直すことにあります。地球とそのすべての生物の幸福を優先し、新しい世代の素材へと移行する必要があるのです。このシフトをリードしているのが、ファッションや他分野において新しい意識の時代を切り開くバイオベースでプラスチックフリーの素材「LUNAFORM™」を開発した、Gozenです。
LUNAFORM™は、最先端のバイオテクノロジーと古くからある発酵技術を駆使した独自のプロセスを通じて作られています。同社の施設で制御された環境下で、微生物がナノセルロースと呼ばれる柔軟な大型シートを生成します。この驚くべき基盤とGozenが持つ技術によって、先進的なバイオマテリアルが開発されます。LUNAFORM™は、動物皮革のような耐久性と多様性を持ち、合成皮革にはない自然なドレープ感と柔らかな手触りを備えています。LUNAFORM™の生産はわずか7日間で完了し、全工程が施設内で行われ、資源の消費を抑え、有害な副産物を一切発生させません。
ハピネスキャピタルは、Gozenのチームが素材科学の境界を越え、ファッション業界の現状に挑戦するための理念と実用的なツールを提供してきました。長期的な視点から成長を支援することで、Gozenが真のミッションである「素材だけでなく、ブランドがデザインに対するアプローチを変革すること」に忠実でいられるよう後押ししています。また、ハピネスキャピタルのネットワークは、サステナブルラグジュアリーが注目されている日本などの新市場での展開を支援しています。
設立以来、GozenはLUNAFORM™の発売や、パリ・ファッションウィークでのバレンシアガとのコラボレーションなど、目覚ましい成果を上げてきました。同社は330万ドルのシード資金を確保し、トルコにおける商業規模の最初の生産施設の建設に向けた道を切り開いています。この施設では年間100万平方フィート以上のLUNAFORM™を生産し、持続可能な素材の量産体制を確立します。
今後、Gozenはファッション業界を超えて、持続可能な素材ソリューションを求める他産業にも進出することを目指しています。自動車や航空宇宙分野に至るまで、Gozenは素材とデザインのイノベーションリーダーとしての地位を確立しており、素材の再考により新しい可能性が開かれ、私たちの周りの世界が変革できることを証明し続けています。